『「一汁一菜でよいという提案 土井善晴 著」を読書中』
偶然、図書館で手に取ったことで、読み始めた本(2016年初版 株式会社グラフィック社 )です。
最近、新潮文庫から出版されています。
よくテレビでも拝見する、料理研究家の土井先生(1957年生まれという事なので、今年65歳になられますね)が、
システムとしての一汁一菜、すなわち、「ご飯、味噌汁、漬物」という食事の型を提案されて、ずっと食べ続けたとしても、食べ飽きない伝統的な和食の型こそ、日本の家庭料理の最善の道だと考えるようになられて書かれたものです。
献立を考える必要なし。ご飯を炊いて、おかず(菜)を兼ねる具だくさんの味噌汁を作ればよい。
男女の区別なく、自分で料理する。
お味噌汁の出汁は取らなくていい。
どんな具をいれてもいい。唐揚げをいれてもいい。
家庭料理は、美味しくなくていい。
と、色々書かれています。
これ、実際に子どもに継続して、お手伝いの延長で作らせれば、忙しいお母さん、どんなに有難いか… 。
まぁ、最初の繰り返しの作業は、お母さん、大変で、有難いなぁと思えるようになるのは、子どもが少し大きくなってからですが。
そして、子ども本人も、色々な体験が出来、考えますよね。具材の選び方、切り方、季節のもの、栄養素、買い物でのお金の使い方etc. 。
子どもが知識を身に付けていく方法のひとつが、芋づる式です。
一つ学んで、その中から、わからない事、もっと知りたい事を、次に又、本を読んで調べたり、体験してみたり。
一つ一つを繋げていくと思ってもいないような本まで、読むようになったりして、とても面白いです。
親も知らないことが多くて、一緒に図書館に通ったりして、よく本を探しましたよ。
今は、ネットで、サクッと調べたらいいのでしょうが。
あぁ~、もっと、早くこの本に出合いたかったし、出来れば、結婚当初の夫に読ませて、しつけたかった~。
そして、私が、我が子にも是非読ませたいページのテーマが、「贅と慎ましさのバランス」という項目です。
日本の、「ハレ」と「ケ」の概念について、書かれています。おせち料理の意味合いなどはこのページで知って欲しいです。
昨今、ネットでも、テレビでも、食べることばかりで、なんだか、毎日、一生懸命、ご飯というか、おかずをを作らないといけないような錯覚に陥ります。
黙って、一汁一菜で食事を出した日には、手抜きか、具合でも悪いのかと言われそうです。ハハハ(笑)
私自身、仕事も忙しくなっているので、出掛けるまでに、食事の支度をしていくのですが、夏の暑い時、冬の寒い時、おかずを考えるだけで、へとへとになって、出掛ける頃には、もっとへとへとになってしまって… 。
料理研究家の辰巳芳子さんが、ラーメン屋さんに行列する若い方々をご覧になった考察で、「ひょっとすると、アミノ酸が欠乏して、自然と体が欲しているのではないか? だから、出汁を求めて、足が向くのではないか?」とコラムだったか、本だったか、忘れましたが、書かれていました。
栄養のバランスも考慮しながら、一汁一菜を目指そうと思う今日この頃です。
もしお時間があれば、ななめ読みでもいいので、一読してみて下さい。随分、気持ちが楽になります。