「どんな絵本を選ぶか」のヒント②
前回の続きから
『二、「いい絵本なら何でもいい、ということにはなりません」』より~
親が、いいと思った本を子供に読んでも、聞いてくれなかったという事例について、お話されています。
読書の積み上げ、読書歴によっては、幼稚園児であっても、小学生対象の絵本に引き込まれ、涙を流すこともある。逆に、読書歴が浅いなら、幼児対象の絵本から、一緒に読み聞かせを始めればいい。
絵本の裏表紙に、〇才以上~とは書かれていますが、〇才までとは限定されていませんので、絵本=幼児のものと決めつけないで、楽しむのは{〇才以上~ 大人まで}ですよと、佐藤先生は言われます。
絵本の対象年齢と、実際の子供の年齢が、必ずしも一致しないという事です。
子どもが初めて出会う絵本として、例に挙げられたのが、「いない いない ばあ(童心社)」です。
子供(赤ちゃん)に向かって、「いない いない… (間をおいて)ばあ~」としたことがありますか?
この絵本を読むときのポイントも、同じように、間をおいたタイミングで、「ばあ」と読む。この一言で、絵本が好きになるかどうか決まると言ってもいいくらい大事ですよとお話です。
「こんどはだれだろう」と読んだ後、一息いれて、読む。そのうち、子供が、「○○!」と、答えてくれるようになり、喜んで絵本に参加してくれるようになると言われます。
幼児教育に携わる色々な方の本を勉強していくと、絵本の読み聞かせは、淡々と読むくらいでいいと書かれていることもあります。ただ、読み聞かせの最初の頃は、ちょっとした一工夫(佐藤先生の言われる、一呼吸の間をおくことや、「いないいない~」の時の顔を手で隠して、「ばぁ~」で手を放す等)をすることで、子供が絵本の世界に引き込まれていくように思います。
読み聞かせのボランティアで、小学校1年生のクラスに行った時のことです。1学期の第1回目の最初の1冊に、この本を読みました。結論のわかっている赤ちゃん対象の絵本ですが、子供たちの緊張がほぐれるというのか、安心感が漂う空気が流れました。その後の絵本にも、集中してくれました。ホッとする味じゃなくて、ホッとする1冊でした。
どんなことにも通じる、基本あってこその応用。絵本も同じでした。大人が飽きたなと思うくらい、何度も何度も読み込んだ幼児絵本が何冊もありますが、この基本は大切だと思います。
「小学校中級くらい」に選定の、この章で紹介された本です。
『三、動かない絵本の絵が、子どもの頭の中では動くのです』又、近日お伝え致します。